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2015年06月04日

ボレロのキモチ


オケの1番トロンボーン吹きにとってボレロは特別。オケ吹きになって以来ずっと、平穏な心理状態で素晴らしい演奏をしたいと思いながら、なかなか実現できない難攻不落の城のようなものと感じてきた。実は今度の土曜日に福岡で九響の演奏会に出演させていただくんだけど、どう言うわけか今の心境を綴ってみようと言う気持ちになった。と言うわけで今回の記事は極私的な内容であり、一般的なものではないことをお断りしておきます。

僕がはじめてボレロのソロをオケで吹かせてもらったのは、大学時代の芸祭での同級生オケでした。演奏は良く覚えていないけど、かなり酷かった結果の記憶だけはしっかり残っています。今でも消したい記憶ナンバーワン。その後はアマオケの助っ人だったり寄せ集めの音教オケ、新日フィルに入ってからは副首席という立場だったのでごく稀に、そして首席になってからたぶん1回、都響に移籍してからも、12年間で数回と言う頻度で演奏してきた。珍しかったのは佼成ウインドでの吹奏楽版。今まで幸いにもセカンドを吹く機会も多かったので、名手と言われる方々の横で聴かせていただく機会が多かったかも。

先輩方を見ていていつも思ったのは、本番前でも全然ピリピリしていない、そして平然と吹いているように見えたこと。本心はわかりません。でもいつの日か自分もあのような境地に達したいという気持ちでやってきたんだけど、なかなか現実はそう簡単ではない。やっぱり極限のプレッシャーの中で6分以上待っていきなりハイB♭から吹き始めるということの異常さ。経験を積んでもなお6分間で狂う自分の感覚を修正できない悔しさ。120パーセント上手く行くという感覚があっても、外れるものは外れる(笑)

それが都響を辞める1〜2年くらい前あたりから、ある確信めいたことが理解できて、プレッシャーとは別のところに自分の気持ちを置く感覚になってきた。説明は難しい。プレッシャーはあるものの、平常心に近い感覚で立ち向かう術みたいなもの。そういえば去年の夏のアルプレヒツベルガーの時もそうだった。この感じをあと数年早く見つけられていたらなぁ。プレーヤーとしてもっと出世出来たのであろうか?いや冗談だけど、少なくとも都響を辞める踏ん切りはますますつけにくくなったんだろうな。いや、それともオケのポストを離れたからわかったことなのか。いずれにしてもボレロに向かうのが、ほんの少しだけど、今は楽しみだと思える感覚がある。

と言ってもこれを書いている時点では、まだ練習も始まっていないし、全く上手く行かないかもしれないし、正直怖さは相当あります。ボレロを吹く機会をいただけるというのは、本当にありがたいと思うので、全力で良い演奏にしたいなと思います。

posted by 古賀慎治 at 01:04| Comment(3) | TrackBack(0) | トロンボーン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする