nombirato!: そして本選

2015年09月25日

そして本選


本選はテナー3名とバス2名で争われた。本選は今回のコンクールのトロンボーン部門を象徴するようなレベルの高さで、1番目の森川君の演奏が圧倒的だったこともあり審査するのが非常に難しくなるなという思いを強く持った。その思いは5人目まで聴いても変わらず、採点は悩みに悩んだ。審査員の採点は公表され、僕たちにとってプレッシャーではあるけど、コンクールを受ける人にとってとても良いことだと思うので、審査する側としては大変だけどこれからも是非続けて欲しいと思うところ。


テナートロンボーンはN.ロータのトロンボーン協奏曲、バストロンボーンはV.ネリベルのバストロンボーン協奏曲がそれぞれの課題。暗譜が義務付けられていて特にネリベルは暗譜が難しい曲。


テナーとバス2種類の楽器で、違った演目での採点の難しさも確かに感じたところはあったけど、今回は参加者の皆さんが高いレベルで完成させて来られたこともあって、終わってみた今、よくよく思い返してみると実は審査そのものはそれほど難しくはなかったかもしれないと思うようになって来た。評価を100点満点での数字にするのはとても大変だったけど、実質的には単純に演奏の完成度や音楽性などで5人を順位付けする作業がメインになった。点差を考えるのは本当に難儀して、僕の採点は1点差で5人が並ぶことになった。僕としては順位はこうで点差はほとんどないという評点ということになります。



最後に簡単に各出演者の感想を書きます。


1位の森川君は、圧倒的な存在感と演奏で本当に素晴らしかった。彼のサウンドはバストロ界のこれからの新しい世代を感じさせる音。コンクールではあのような演奏が出来れば優勝にグッと近づけるという見事な演奏でした。


2位の中野君のニーノ・ロータ、完成度という面では森川君に1歩譲るけど、2楽章の本当に美しいサウンドと息を飲むようなフレージング、ピアニッシモの繊細さは他に例えようがなく、僕はその点をプラス評価して1位と評価しました。


3位の笠野さんは、ネリベルを初演されたというダグラス・ヨーさんの愛弟子だそうで、コンクール前に先生の所に行ってしっかりと作品のDNAを勉強されて来たのがわかる、本当に丁寧で細かく歌い込んだ説得力のある演奏でした。僕は恥ずかしながら彼女の演奏を聴くまで、ネリベルはとても難解な曲で、どう解釈したら良いのかわからなかったのですが、彼女の演奏は一回聴けば非常によくわかった、納得!という明快な演奏でした。


4位入選の井さんは藝大の4年生で、本当に良く頑張ったなぁと、先生としてはもうそれだけで十分(笑)。いや、彼女の今のポテンシャルはまだまだ発揮出来ていなかったので、この先大いに期待しましょう。


5位入選の越智君、一音聴けば越智君と分かる柔らかい音で、気持ちのこもった素晴らしい演奏だったけど、全体を通すとやはり力を出し切る感じではなかったか。僕が知っている彼の実力はもっともっと上だと思います。本当に惜しかった。


以上、遅くなってしまった感想文でした。重要な役割をきちんと出来たとは思えないけど、審査員の皆さんや運営の方々のサポートがあってなんとか終えられた感じです。250種類のダヴィッドを聴けたことや、新しいダヴィッドの音楽観を得られたことは僕にとって、この立場にいさせて貰った最大の役得でした。本当に勉強になりました。こういう立場で参加させていただいたことに、とても感謝しています。


(以上は、あくまで僕個人の私感です。文責は僕にありますし、誰も非難するような意図はありません。)
posted by 古賀慎治 at 11:48| Comment(0) | TrackBack(0) | weblog | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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