nombirato!: 日々雑感

2017年11月13日

(続き)気になる事とか


先週の演奏会やその前の週の演奏会は、その企画内容、演奏する人たちの顔ぶれ、実力からして、観客動員を心配するような公演とはとても思えないんだけど、実際は空席が目立った。

中の人に話を聞くと、他の公演とバッティングしたとか、開催日の特有の事情以上に、チケットが売れないという実感がヒシヒシと伝わってくる。

レコード会社による「恋ダンスの削除依頼」‪のニュースが記憶に新しいけど、とても便利なYouTubeなどの無料のメディアで宣伝拡散しても、多くの人はそこで満足してしまい、その先の演奏会に足を運んだり、CDを買うという購買行動に結びつかなくなって来たという事のようだ。はっきりとしたデータが手元にはないけど、公演を企画する側にいる人達にはそんな実感があるみたい。

ネット上で無料で音楽を楽しめるのは、一見素晴らしい事に思えるけど、多くの、特に若いリスナーの世代か動画を見てもういいやと言うのは、この先音楽界にとって、かなり心配なことかも知れない。僕たちは、それでも生の演奏の魅力をもっと伝えていかないといけない。

こうして音楽家や音楽事務所が、リスクを冒して、チャレンジングな演目を提供しようという意欲もどこまで持つのかと、そんな気すらする今回の出来事でした。願わくば、一時的な落ち込みのような事なら良いのだけど。



今年の五島市でのセミナーと演奏会では、結構難しいナイジェル・ヘスの「イーストコーストの風景」とか、懐かしいオリバドッティの「バラの謝肉祭」という曲を一緒に練習し演奏したけど、昨日から今日にかけての中高生の上達ぶり、柔軟性、対応力とか見ていると、4年続けて来た積み重ねがよく表れていて、本当に嬉しかった。年々仕事としての状況は厳しくなっていくけど、例え小さな種まきであっても、社会人や上級生から、下級生、新しい世代へ受け継がれていくものって、まさに人づくりであり、僕たちがやらなければいけない仕事だと実感できた3日間だった。

高校を卒業して、島から出ていく子も残る子も、そして帰ってくる子も、ずっとずっと楽器を楽しみ、音楽に親しんでくれる事を願ってます。




posted by 古賀慎治 at 09:27| Comment(0) | 日々雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大編成アンサンブルと日々雑感


金曜日から日曜日まで大学の仕事で長崎の五島に行って来ました。実はその前の週の日曜日にぎっくり腰を発症してしまい、鍼治療のお陰で日常生活はなんとか送れるものの、ちゃんと最後まで演奏できてホッとしました。



ところで、今回はその日曜日の夜、違うところでチト有名になってしまったトロンボーンユニットハノーファーを、痛い腰を必死になだめつつ聴きに行って考えたりしたこと。


このところカルテット以外に大編成のトロンボーンアンサンブル、と言っても音楽大学系のアンサンブルではなく、プロのアンサンブル団体が相次いでCDをリリースしたり、新たに旗揚げしたり、トロンボーン好きにとって本当に喜ばしい状況にあります。


僕の方で情報の網羅はできてないけど、なぜこのタイミングで一気に大編成アンサンブルが広がったのかは、正直よく分からない。でも頑張ってきた方々の蒔いた種が実を結んで来たのは間違いない。




まあそれにしてもこの前聴いてきたハノーファーは凄かった。


ツイッターでは少し呟いたけど、ガッツリ系のアンサンブルの究極とも言える素晴らしい演奏だった。


僕個人的には、初めてPJBEや、スローカーカルテット、パリトロを聴いた時と同じ位の衝撃。これはオーバーな話ではない。前半を聴き逃したのが本当に悔やまれるけど、全てに想像のはるか上を行くパフォーマンスだったし、全員同じ門下で学んだと言う演奏スタイルやサウンドの方向性の統一感も素晴らしかった。


曲によっては3人のアルトトロンボーンからコントラバス並みに重心の低いマシュコフスキーさんのバストロの低音まで、かつて聴いたことのない分厚い響きにずっと耳が釘付け。本当に病みつきになった感じ。まさに腰の痛みを忘れて聴き入ってしまいました。何か若い頃に置き忘れて来たモノを思い出した気がします。



ところで、アンンブルの演奏会を聴きながら、頭に引っかかることがあった。指導者として生徒さんに接する時に、ほぼ100パーセント直面する「あと押し」のこと。


あと押しは経験的にわれわれ日本人に多いと感じるし、自分にもその傾向がある。エスプレッシーヴォで演奏しようという思いが強いと更に目立ってくるし、レガートだけではなく、普通の四分音符でも気になることが多い。もうこれは日本人の国民病じゃないかと思えるくらい。我々の言語が影響しているかも知れないし、世界に出て行くためにも本当にナントカしなければいけない課題だと思う。


聴きに行った演奏会では当然そんな瞬間は微塵もなかったわけだけど。心当たりある人は、まずは自分の演奏を録音して、彼らのCDでのプレイと比較してほしい。




それからお客さんの入りのことも気になったが。。。


だいぶ長くなって来たので、これについては次の投稿にします。








posted by 古賀慎治 at 09:26| Comment(0) | 日々雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月28日

贈った言葉


「贈る言葉」は海援隊のヒット曲。流行った頃は、好意を抱いていた子が、転校でいなくなるという時だったので、なおさら思い出深い曲です。当時から相当内気だったので、自分から話しかけた事もなかったな(笑)


昨日は藝大の卒業式と謝恩会。今年もまた学生達が巣立って行く。様々な感慨にひたるわけだけど、毎年同じような感慨をもつということはない。学生達との距離感もそれぞれ。でも赴任して丸5年経って、落ち着いてきたなという印象が一番強い。落ち着いてきたというのは自分から見た学生達の雰囲気だったり、自分と学生達の関係だったり。特にはじめの3年くらいは、相当試行錯誤だったし、今よりは学生一人一人をフラットに見ることが出来ていなかったかもしれない。でも懸命にあれこれやっていた気がする。

謝恩会とか、送別会とかだけではないけれど、卒業生や、学生達に向けて、スピーチをするというのが、ある意味僕にとっては修行、、いや、勉強でもあるんだけど、何かためになること、心に留めてもらえるようなことを話そうと、思えば思うほど上手くいかないもので、他の先生方の話を聞いて、またまた反省して帰るというのが恒例になってきた。

基本的に話が下手な自覚が相当あるので、スピーチが終わって上手くいったと言う印象になる事はほとんど無い。演奏の後の方がはるかにスッキリするな。

で、最近、大学に赴任した当初と話す内容も、少しずつ変わってきたなと感じるところがあって、自分としては、やっぱり初心にかえらないといけないのかなと反省。

普段から教師として考えていることが、こういう機会に自然と反映するもので、自分的には、大学の先生になる直前くらいの心境というものが、この先の先生としての心の持ちようとして、実は一番良いのかなと思ったり。もう少し上手く話せるようになりたいと思う。


卒業生の、なんだか少し不安だったり、晴れやかだったりな面々と話をしてると、本当にこれから先の、活躍が楽しみになる。大きな可能性を感じるというか。僕はこんなだけど、学生達が立派に成長して社会に出て行くことを、心から嬉しく祝福したいと思います。

願わくば、健康に気をつけて、素晴らしい音楽とともに活躍して欲しいと思います。

posted by 古賀慎治 at 02:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月22日

作文


ご無沙汰してました。今は入試も終わり、ちょっとホッとしている感じです。

大学の業務の中で、レッスン以外にもたくさんの仕事があって、専攻を担当している以上避けられない役職というのがある。

授業として行われている学生オーケストラの運営のために、各科から委員の先生方が参加されて、運営委員会が開かれるんだけど、どういうわけか委員長を拝命して丸2年。今は定期演奏会に向けての印刷物の準備の中で、チラシやウェブで公開される挨拶文というものを書くのも役目。過去の先生方の挨拶文を参考に読んでから書こうと思ったんだけど、芸術家らしい格調の高さを感じさせる名文ばかり。

学生時代を思い出すと、アンサンブル定期の挨拶文を、永濱先生にお願いすると、故事やことわざを引用されて、出演者の僕たちにとっても、とてもためになるような事を書いていただいたな。

僕が普段書いている当欄とか、思いつくままに書きなぐる駄文と違って、格調高く、大学の先生らしくと思うと、なかなか筆が進まないと言うか、ハードルが高すぎてテキストエディタを開く気にもならない。試し書きをしても、大人と子供くらいに幼稚な文に感じてしまう。

それでも締め切りというのは来てしまうので、自分なりにあれこれ調べて、参考の音源を聴いて、ひねり出した、たった200文字強。これだけのコトを、何も調べずにサッと書けるくらいの人間になりたいものだと思った。想いが伝われば、まあ自分にしては上出来。

完成品は、どうぞお手柔らかに温かい目でご覧くださいまし。定期演奏会よろしくお願いします。6/29 奏楽堂です。


posted by 古賀慎治 at 13:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月21日

日藝の第10回トロンボーン定期へ


昨年度いっぱいで退職したものの、お誘いいただいたし、現状教え子しかいないので、一年ぶりにみんなの様子を見に江古田にある音楽学科の小ホールに行って来た。気分はすでに母校へ行く感覚。トロンボーン定期も在職中に始まって、ついに10回目か。。。

今の専攻生の女子3名と男子1名で、正直定期演奏会を乗り切るのは大変だったと思うけど、一年ぶりに聴いた彼らの演奏からは、テクニックや音楽性もさることながら、人間的にも大きな成長を感じることができた。

退職の前は、後任の新田幹男先生に迷惑をかけるんじゃないかとか、いろいろ心配な面もあったけど、聴いてみて一番感じたのは、この一年で、見事なまでに、新田先生のカラーに染まったなぁと感じることができたこと。良い意味で。サウンドがここまで変わるとは想像できなかったこともあり、寂しい感覚も10パーセント位あったけど、90パーセントは「もう大丈夫」という安堵感。本当に素晴らしい先生にバトンタッチ出来て良かった。

これは親離れというより子離れの感覚のハナシかもね。行って良かった。卒業生達との会話も楽しかった。

また近々会いましょう(笑)




posted by 古賀慎治 at 00:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする